尖閣諸島問題　反日デモの問題　（24.9.16）（最終更新：26.12.4）



はじめに
中国での反日デモが暴徒化して、大使館、領事館、日系スーパー等が攻撃されたり、
上海などでは日本人が中国人から暴行を受けたりしている。

中国の人の全てがこうした馬鹿げた行為を認めているとは思えない。
一部の人が扇動されて、自分のやっている行為がどういうものか、
という認識のないままに行動しているだけだ、と個人的には思いたい。

これをまとめている今日は9/15.
今後もデモの広がりは予想され、何の罪もない日本人が中国内で攻撃の的になる可能性がある。

デモ行為を否定するつもりはない。
それが他者への迷惑につながらない限りは、発言、集会は自由であるべき。

問題は暴徒化。日本や日本人に関係する団体や個人への無差別攻撃。
これが心配されるので、今の時点で敢えてこのページを掲載することにしました。


強く言いたいことは
中国の政府や警察関係者は、暴力行為を厳しく取り締まるべき。
反日という名前をつけた暴力行為が正当化される訳がない。そうした行為は中国の恥だ、と自覚するべき。
そして中国人は冷静に行動するべき。扇動されて暴徒化する行為は恥だ、と自覚するべき。
中国国内の日本人への反社会的行為（誹謗・中傷）や暴力行為を止めるべき。


※ページ内のリンクは24.9.15時点のものです。今後関連サイトの都合で内容が変更される可能性があります。



最近の経過
24.8.15
香港の活動家複数が魚釣島に上陸。
上陸しなかった人も含めて14人が不法入国で逮捕された。
これに対して中国は即時釈放を要求。
２日後に香港に強制送還された。

その後、
8.19
日本の地方議員数名が洋上慰霊祭の後、魚釣島に上陸。
同日中国では反日デモが各地で起こり、一部が暴徒化。
日本製の車が複数台破壊されたり、
シンセンの日本料理店（中国人経営）のガラスが割られる被害が出た。

8.24
香港の会社役員がツイッターで、
「１９４９年から７１年まで中国政府は釣魚島（尖閣諸島）を日本の領土と認めていた」
という発言とともに、当時の中国の地図を掲載し、魚釣島という日本名と日中境界線があって、
魚釣島が日本の領土であると書かれている、と発言。
http://kinbricksnow.com/archives/51806901.html


8.27
中国在住の日本大使館の大使が乗った乗用車から日の丸が奪取される。

国旗奪取事件“容疑者は男女４人”
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120831/t10014691001000.html


日本大使車両国旗奪取事件で中国人男性2名を行政拘留
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120905-00000040-scn-cn


尖閣諸島を国有化9月11日 19時58分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120911/t10014935511000.html


大規模な反日デモ 中国各地で暴徒化
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120915/t10015044571000.html


以上のような経過が最近のできごと。




さて、尖閣諸島とはどこなのか。
南の方とは分かっているが、詳しくは分からない。
調べてみると沖縄の更に西らしい。

魚釣島とは、
尖閣諸島の西端、北緯25°46′、東経123°32′に位置する無人島。
石垣島から北西約170 km、沖縄本島から約470 km、台湾から約170 km、
中国大陸からは約330 km離れている。

参考サイト
尖閣諸島
ウィキベディアのページを直接リンクできないので、まずトップページを開いてください。

http://ja.wikipedia.org/

↑このページを開くとウィキベディアのトップページになるので、下図のように検索窓に　尖閣諸島　と入れてエンターキーを押すと、


下図のようなページが開く。



尖閣諸島問題を簡単に要約すると、

歴史的に見ると、無人島であった島を日本が領土としたのは明治時代。
当時の中国清朝にも確認している。
中国が自国の領土だ、と言い出したのは1960年代。
海底資源、漁業権などの利権が背景にあるらしい。





以下は私の個人的な考え

もちろん、こうした経過は日本の言い分。
中国には中国の言い分があるらしい。

だけど、中国の言い分は日本のマスコミの中に登場してこない。
どういう理由で尖閣諸島が中国の領土と言えるのか、
という根拠が日本のマスコミでは取り上げられない。


ここでふと気づく。
日本が「尖閣諸島を日本の領土だ」と主張している根拠を説明しているニュースってあるのか？
23:00過ぎのニュースの特集では取り上げられることがあったような気がする。
でもそれきり。この尖閣諸島の問題がニュースで流される時には、「日本固有の領土」というだけで、
その根拠は説明されない。

私はインターネットで検索して、ウィキペディアなどで知識を得てこのページを書いている。
多くの日本人には、マスコミが取り上げていることだけでは、こうした歴史的・背景的な事柄が分からない。

これは中国でも同じなのではないか。
いや、中国では言論統制があるらしい。
「実はこういうことだった」という歴史的な事実の公開が、政府の意向に左右されやすいらしい。
だから一般市民が事実を知るには限界があるのかもしれない。
尖閣諸島は中国の領土だ、と言われれば、それをそのまま信じるしかないのかもしれない。



国民感情
自国の領土が他国の物だと言われて怒る。
それは当然の感情。
しかし、中国と日本の立場が逆だったらどうか。
日本人はデモを起こすだろうか。中国料理店を襲うだろうか。

尖閣諸島が日本の領土だと主張しているのは日本政府であり、
中国の日本料理店ではない。

悲しいことだが、思想統一が現在でもされている、と誤解される状態。
自分たちの行動が異常なものだ、という判断ができない人たちが中国国内で反日デモを行い、一部が暴徒化している。

もちろんこれは中国の中の一部の人たちの話。
多くの中国人は冷静に物事を見て行動しているはず。
個人的にはそう信じたい。

もし、日本で中国料理店を襲ったとしたらそれは犯罪。
警察が捜査を開始して犯人を逮捕する。

それが中国では違う。
反日行動の延長線にある暴挙は犯罪ではないらしい。

竹島問題で、
韓国の日本大使館の建物に何かをしようとした人を、
韓国の警察が逮捕している映像がニュースで流れたことがある。
しかし、
中国での反日行動に絡んだ犯罪行為に対して、
中国の警察が規制行動をとる映像やニュースは見たことがない。

私はニュースの全てを見ている訳ではないから、見過ごしたかもしれない。
中国でも犯罪行為はきちんと取り締まっているかもしれない。
だけど、７年前に反日運動があった時に、
暴徒の行動を警察が傍観していた映像が印象に残っている。
そんな私にとっては、今回も同じ対応をしているんだろう、と思ってしまう。

７年前の４月、反日デモが起きた時に思う所をまとめたことがある。
http://www18.atpages.jp/sibaduke/kagome/hanniti.htm


あれから７年経っても、
中国の対外的な姿勢や一般市民を暴徒化させる組織的なものは同じらしい。



反日行動を容認する中国政府
中国駐在の日本大使の車から国旗が奪取された事件で、
日本のテレビのニュースでは、
中国政府は、インターネット上のアンケートなどで「国旗奪取は正当だ」という意見が多く、
そうした世論に配慮して対応するとみられる、
という話が流された。

犯人と犯行に使われた車の写真があって、中国の警察が捜査して、
何故厳正な法的な処置がとられないのか。

これが日本国内で、中国大使の車から国旗が奪取されたとしたらどうなんだろう。
日本の警察は犯罪行為は検挙するし、法で処罰する。
中国は自分たちが同じことをされたらどうなのか、を考えるべき。
これは恥ずかしいこと。

中国の国民全部が、こうした犯罪行為を容認しているとは思えない。
インターネットのアンケート結果はいくらでも操作できるので信頼性はない。
中国政府は、反日感情を煽る犯罪行為には厳しく対処する姿勢を持つべき。




ではどうしたら良いのか
国際的に尖閣諸島はどこの領土なのか、をはっきりさせれば良い。

過去の遺物
日本政府は「自国に決まっているものを問題にする必要はない」という姿勢を取り続けている。
それは今の民主党政権からではない。
古くは自民党政権時代からの話を引きずっている。

自国であるのに、外国人が容易に上陸できる場所があること自体が異常。
警備強化をすると中国との国際紛争になるからできないらしい。
ではどうするのか。
何もできずにずるずる1960年代からやってきた結果。

国際的にみてどうなのか、の判断を仰ぐのが平和的な解決法。
主張するだけでは平行線。


中国の中からの批判
過去の中国の地図を掲載して、
「中国の領土だって言っているのは間違いだ」と発言する人がいて、
それを見た人が、自分の考えは誤解だったと気付く。
そうしたことがもっと広がれば、本当のことはどうなんだ、と
冷静な判断が広がっていくと思う。
だけど、このツイッターは反響が大きくてすぐに閉鎖されたらしい。


ただ闇雲に反日を叫び、暴徒に走る国民。
それが中国人のイメージだとしたら悲しすぎる。

世界に恥をさらけ出しているだけ。

あとがき
７年前の時も書いたが、私は中国が大好きである。
歴史的にも、日本は中国や朝鮮半島からの文化を輸入してきて現代までつながっている。
旅行にも行ったし、テレビで中国の映像が流れるとついつい見てしまう。
長い歴史と人の知恵を沢山蓄えた国。
風景も、人の暮らしも、私には魅力的なものばかり。
中国料理も大好きだし、機会があればまた旅行に行きたいと思う。

だから尚更、今回のような問題が起きると残念だし情けない。
過去に日本が中国に対してひどいことをした、という歴史的な負い目はあるにしても、
現在、そこに生きている人に対して、ただ感情的に、根拠や裏付けをはっきりさせずに、
反日を叫び、暴力行為へとエスカレートすることは認められない。

こうした内容を掲載すること自体、私にとっては悲しいこと。

このページを公開したからといって、社会的には殆ど影響はないと思われる。
だけど、公開しないではいられない。

日本と中国の人が、平和的に自由に交流できる社会を望んでやまない。



※私は特定の思想・宗教・政治等の団体には加入していません。
　個人的な考えを掲載しているだけです。